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☆だんだらだらだら☆

記憶力がないアラサーのブログ。演劇/ミュージカル/宝塚/歌舞伎/映画/美術館/フィギュアスケート/JAZZ/大阪万博/食べ歩き/カメラ(OM-D E-M10 mark2) などの話題。

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2016.02
11


22:00
【演出】山田和也
【歌詞・脚本】ミヒャエル・クンツェ
【音楽・追補】ジム・スタインマン
【原作】ロマン・ポランスキー
【出演者】
山口祐一郎
石川禅
神田沙也加/舞羽美海(Wキャスト)
駒田一
平方元基/良知真次(Wキャスト)
コング桑田
出雲綾/阿知波悟美
ソニン
上口耕平
新上裕也/森山開次(Wキャスト)ほか

ウィーンミュージカル好きと言いつつまさかの初見…。
2016年観劇初め。
以下、感想です。
一言でいうと、キュッとしてない。
軸がなく、密度も熱量もとっても低いまま。

グランドミュージカルなのか、キワモノなのか、ダンスミュージカルなのか、
山口祐一郎座長公演なのか、とっ散らかってる。
観ながらずっと困惑してた。

TdV公式ブログとかを見ていると、
東京では普通の東宝ミュージカルよりも積極的なコアなファンが一定数いて、
ある意味カルト的な感じかと思いきや、いざ劇場に行くと、
ロッキーホラーショーとかまでは到底行かなくて(当たり前か)(でもRENTまでもいかなくて)
受容する側はやっぱりお上品な帝劇ミュージカル的なままで。(でも内容は割とゲスイ)
それはまだ2回目の上演で浸透しきれていない大阪だからなのかも知れないけれど。

で、映画がそうだったように、このミュージカルって、
古典的なゴシックホラーを多少ブラックに皮肉ったコメディだと思うのですが、
ゆうさまが出て来れば、
それはもうゴシックホラーでもブラックコメディでも、ミュージカルですら怪しくなって、
地平のどこまでもただただ「山口祐一郎オンステージ」で。
演歌の座長公演的に、豪華な衣装を身にまとって歌い上げては去っていく。
そう。1幕ラストのロングトーンは感動的。
これこそが山口祐一郎なんだ、と身震いする。
ゆっさゆっさ揺れながらリズム取ってるけど。
時代劇みたいな歩き方でキャラ行方不明だけど。
この美しい顔、均整の取れたスタイル、伸びのある歌声を持った完ぺきなスターのはずが、
何故こんなに面白くなってしまうのか。
いや、でも何かすごいんだ。

レミゼ降板劇の後、「クリエミュージカルコンサート」で、
復活の狼煙とばかりに1幕最後のロングトーンを披露してた。
あの時、アルフレートたちの小芝居もおまけでついてて、
へんてこなコンサートだなぁと思ったけれど、
山口祐一郎の代名詞としてのクロロックなんだ、とやっと意味がわかった気がした。
ある意味、森光子の放浪記的な、ゆうさまの健在っぷりを確かめる舞台なんだろう。
だからマツケンのような格好で出てこようが、
(そういえばマツケンの『ドラキュラ伝説』と今回のビジュアルが似てる)
「抑えがたい欲望」で森山開次が全身で叫んでるようなすごみのあるダンスの隣で、
山口祐一郎オンステージになっていようが、これで正解なんだと思った。
たとえ、森山開次とゆうさまが別次元に存在してても、作品として空中分解してても、
これはこれで再演を繰り返していくんだ。

舞羽さん@サラはタカラヅカ時代よりも歌えてたけど、
フラット気味で聞かせるところまでは全然たどり着けてない。
特に「愛のテーマ」は迫力不足でした。
でもでもそれを差し引いても余りある、絶対的なヒロイン力。
エリザベートができるような求心力があるタイプというより、
ただただ可愛く、ボーイミーツガールが絵になって、ときめきを倍増させてくれる女の子。
たとえ歌や芝居が上手かろうが誰もが持てるわけではない稀有な魅力だと思います。
さらにそのヒロイン力を持ちつつも普通のプリンセスキャラにとどまらず、
お色気担当も担ってる若干アブノーマルなヒロインによく合っていて。
かつてジュリエットよりも『フットルース』のアリエルの方がハマってたように、
ちょっとすれていたり、抑圧されたエネルギーのやり場にこまっていたり、
一見可愛いんだけど、危うい衝動を持った女子にぴったりで、何かうれしかった。
もちろん品の良さは失わず、です。
逆に神田さん@サラはどこまでも可愛いディズニープリンセスだったかなぁ。
歌い方も喉で歌ってる感じ。(お母様にそっくり!)
あと、姿勢とか所作が、少し気になってしまいました。
めっちゃかわいいけど!

禅さん@アブロンシウスのこういうコメディというか内輪な芝居が苦手で…。
アリスしかり十二夜しかり。
うん…もちろん歌は完ぺきなんだけど、何か乗り切れない自分がいます。。。

平方くん、良知くんはすこし地味め。
歌は平方くんの方が安定してました。
良知君は「サラへ」がかなりフラット気味。
一方の平方くん、いつもきちっと崩れず声も良くて上手いと思うのに、
心にぐっとくる歌ではない…。

上口くんはフィナーレも含めて小ネタを挟みつつオネエキャラ全開で攻めてた。
帝劇ものでこのキャラ押し&小ネタ押しは新鮮。
『タイタニック』でもいい味だしていたので、次世代スターとしてさらなる飛躍を期待!

駒田さん@クコールはもったいない使われ方ながら、クコール劇場で発散。
何でも器用にされる方ですねー!
ソニンさん@マグダはキャラ立ちは弱いものの圧倒的なパワフルボイス。
フィナーレの口火を切るのにふさわしく、最後までかっこよかったー!
コング桑田さん@シャガールは大阪的なノリを織り交ぜつつ、ダメ親父を熱演。
阿知波さん@レベッカは、歌に芝居にさすがの安定感と迫力。
肝っ玉母ちゃん的だけど、シャガール大好きなかわいらしい部分もあって。
出雲さんは綺麗にまとまってた感じで、
よくも悪くも宝塚的な美しさを捨てきれずにいたかなぁ。
前々から気になっていた森山さんはダンサーとしてのスキルが高いというより、
「アーティスト」や「表現者」という肩書きに近いような。
「抑えがたい欲望」は「痛み」が辛いほど伝わってきた。
あと、ダンサーさんの中では、花岡麻里名さんが華やかで表情豊かでかなり目立ってました。

しかし、この作品。
なかなかきわどい内容で、
お風呂が性的衝動や性的欲望のメタファーになっていたり、
怪しげな父娘の関係性だったり、
ニンニクでエネルギーはあるのに欲求不満で欲望のはけ口を探す中、
クロロックが欲望を解き放つ引き金を引いてくれたり、
娘を助けに行くカッコいい父親像をあっさり裏切ったり、
「理性」こそが「欲望」(ヴァンパイア)をのさばらせるきっかけになったり。
考えてみれば、深い考察ができるのかもしれません。
(クンツェ脚本のためか、「抑えがたい欲望」もやけに哲学的)

ただ、だからと言って作品の面白さにつながるかと言えば、別やわな。
古典的なゴシックホラーのパロディになり切れず、
(『ボンベイドリームス』がインド映画のパロディになり切れていなかったように)
内輪っぽい笑いやUSJのアトラクション的な安っぽいホラーイメージに流されていて、
しかもそれによってテンポが良くなっているわけでもないし。
歌もオーバーチュアの映画音楽的な壮大なテーマ曲やフィナーレは耳に残るけど、
物語を運ぶ曲としてはバランスあんまり良くないかなぁと思いました。
あと、2幕冒頭、せっかくのロック調なのにザ・ミュージカルな歌い方だったり、
ダンスもなんかやけにミュージカル調でもっと尖ったカッコいいのがみたいなぁと思ったり、
セットがゴシック調の重厚さもなく、単に安っぽくてダサかったり。

ウィーン初演版はポランスキー自身が演出したとのこと。
youtubeでウィーン版を観てみようかな…と思いました。
多分、生ではもう観ない気がする。。。
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