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☆だんだらだらだら☆

記憶力がないアラサーのブログ。演劇/ミュージカル/宝塚/歌舞伎/映画/美術館/フィギュアスケート/JAZZ/大阪万博/食べ歩き/カメラ(OM-D E-M10 mark2) などの話題。

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2016.02
16


22:00
【作曲・作詞】スティーブン・ソンドハイム
【台本】ジェームス・ラパイン
【演出】宮田慶子
【出演】井上芳雄 和音美桜 シルビア・グラブ 福井貴一 ほか

以下、簡単な掘り起こし感想です。

のっけから思いっきり濡れ場で、
開始10分間くらいその残像がちらついて、記憶抹消(大袈裟)

話はシンプルで、軍人である井上くんと人妻 和音さんは愛し合っていたが、井上くんが片田舎に転属。
そこで出会った謎の身体的にも精神的にも弱い女性シルビアさんに惚れられ、
ストーカーされ、セクハラされ、最初は逃げ回って拒絶しているが、最終的に受け入れるという…。

恋愛とは無縁で美しくもないシルビアさんに、
愛とはどんなものかを意気揚々と説き伏せつつ(意識的にも無意識的にも上から目線で)、
あなたは自分にとって、その対象にはなりえないとずっと拒絶しつづけていたくせに、
シルビアさんからしつこく言い寄られているうちに(なかば洗脳に近いかも)、
本当の愛がわからなくなっていく。
人妻の体裁や自分の立場を守りながらの愛が本物なのか。
全てを捧げ、ただ一途に無償の愛を注ぎ続けるのが本物なのか。
迷宮に迷い込んだジョルジオは、シルビアさんの愛こそ本物だという選択をするけど、
いろんな行き違いで上官からシルビアさんを利用している不届き者とみなされて、決闘。
そこで上官を傷つけ、気が狂って精神病院へ。
そこへ届けられたシルビアさん死亡の知らせと形見の手紙。
彼は、愛の昏迷から目覚められるのか…。

これ、井上くんでなければ成立しない。
こんなに歌ってるのに、風味は完全に、ストレートプレイ。
最後のフォスカの愛に対する心変わりの独白ソングは、
井上くんの圧倒的な説得力を持ってこそなりたってる。
生半可な人がやってたら、わけわからなさすぎてコメディになってるかも。
いやー、久々に見たけど、本当にすごい…井上芳雄という人は。
あと、和音さんとの相性がいい。
同じくこの主役コンビだった『ルドルフ』のような、
これぞミュージカル的な陶酔感のいる内容やキャパより、
今回みたいな文学的で緻密に言葉を積み重ねていく作品の方がふたりには断然似合ってる。
和音さんの落ち着きのある理性的な声のトーンと確実な歌。
宝塚仕込みの品のあるドレスさばきも素敵だった。

物語のキーパーソンになるシルビアさん@フォスカは、
『ファントム』のエリックのように相手の意思関係なく、むき出しの愛をポンと投げてしまう。
それが狂気的に見えたり。
でも、ナイーブで傷つきやすく可愛く見えたり。
井上君だけでなく、わたしたち客席からも、
このフォスカへが多面的に見えてきて、どんどん揺さぶられていく。
シルビアさん特有の鼻にかかる甘い声が、ミステリアスな役柄によく合ってました。

しっかりとしたトライアングルでした。
セットは照明の力を使って、極限までシンプルに。
難解と言われるソンドハイムの音楽。
多分今までメリリーしか見たことなくて、
メリリーがかなりキャッチーだったので、言うてるほど、とたかくくってたら、呪文やった…。
アリアのないオペラ的な。
でも苦痛ではなく、むしろ自然。
誇張された陶酔はなく、言葉そのものが持つ力がそのまましっかり耳に飛び込んでくる不思議。
その難解なメロディーで、女は見た目次第~♪的なことをいうから、必要以上に心に響きました。

題材も、キャストも、演出も、美術も、新国立劇場制作らしく渋くも堅実な作りで、
他のプロダクションでは、色んな意味で、なかなかできないだろうなと思った。
演劇だけでなくミュージカルラインナップにも期待ですねー!
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