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☆だんだらだらだら☆

記憶力がないアラサーのブログ。演劇/ミュージカル/宝塚/歌舞伎/映画/美術館/フィギュアスケート/JAZZ/大阪万博/食べ歩き/カメラ(OM-D E-M10 mark2) などの話題。

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2017.02
19


13:36
『お気に召すまま』の簡単な感想です。

ロザリンド 柚希礼音
オーランドー ジュリアン
ジェークイズ 橋本さとし
オリヴァー 横田栄司
アミアンズ 伊礼彼方
タッチストーン 芋洗坂係長
シルヴィアス 平野良
ウィリアム 古畑新之
フィービー 平田薫
チャールズ 武田幸三
オードリー 入絵加奈子
ジェームズ 新川將人
コリン 俵木藤汰
アダム 青山達三
シーリア マイコ
公爵/フレデリック 小野武彦 ほか
お気に召す、召さない賛否両論のあったこの作品。
時代設定はアメリカが「もっとも幸福だった」1960年代。

ロザリンドが叔父にワシントンD.C.から追放され、放浪の末たどり着く森は、
音楽にあふれ、ヒッピーたちが集う、ヘイトアシュベリーの森。
キャベツがヤギなのも楽しく童謡を歌う幼稚園が羊なのも、
単なるジョークなのかヤクが見せる幻覚なのか怪しい。
あまりにも麻薬的で、ご都合主義な「ラブ&ピース」の中、4組のカップルが結ばれる大団円。
ロザリンドの父、侯爵の領地は回復され、秩序が取り戻されるけど、
この森から出ることは本当にハッピーなのか?
この原色の森から抜けてもなおまだ麻薬的なラブアンドピースに浸れるかも何だか怪しい。
ちょうど『ミス・サイゴン』が同時期に上演されていたわけですが、
この時代はベトナム戦争の時代なんですよね…。
それこそ「帰国したら、白い目で見られた」時代。
反戦運動が高まった「ラブ&ピース」の時代。
「アメリカが最も幸福だった」時代。
確かにハッピーな喜劇なんだけど、サイゴンを観た後だったので、
ラリった楽園的な世界の皮肉さが自然と見えた気がした。

セットは背景のボードと柱6本という簡易さながら、
整然とした白一色のワシントンD.C.から、
原色炸裂のアーデンの森への転換はぱっと目が醒める。
音楽はトム・キット。
マイケル・メイヤーと一緒にPRポイントになっていたけど、これは肩すかし。
「Next to Normal」的な繊細に物語を紡ぐんじゃなく、賑やかし的な普通のポップスだった。
ミュージカルといえる程の音楽のボリュームじゃないし、
逆に微妙な差し込み方で台詞のスピード感を殺いでしまった感もあり。
開場、幕間、劇中にも流れてた当時実際流行ってたポップスは良い具合に効いてた。

クリエでも1度観たんですが、
お芝居としては、大阪は遥かにテンポが良くなってかみ合ってました。

大阪では子供達は半分の8人。
羊飼いのシルヴィアス、フィービーにカートに乗せられて、
「メリーさんの羊」を歌う「羊」であり、結婚を祝福する天使でもあり。
天使姿で、正座してるのがお遊戯感があって、妙に面白い。
アミアンズの伊礼さんは台詞がほぼなく、歌担当。
しどころがなく持て余しているのが見え見えで、
去年男爵やってた人がこの役かと悲しくなった。
大阪は遊びすぎて何故かおかまキャラに。
やりがいのなさを本人が感じているのが、
こちらにもあからさまに伝わるのはどうなんだろうと思いつつ、
うーん…ポテンシャルを活かせない役があまりにむ多い気がして、
そりゃフラストレーションもたまるよな・・・とも思う。
いい役やってほしい。
同じくしどころないだろうなと思ったのが古畑新之さん。
台詞、一言だったな…。
2.5次元系らしい平野良さんは自分の紡ぐ言葉に酔っていて、
平田さんはとにかく台詞に精一杯すぎて、
この羊飼いカップルの台詞が頭に入って来ない。
芋洗坂さんや武田さんは、東京より随分しっくりくるようになっていた。
橋本さんは確かな台詞と、冒頭のアフロ頭ル・ボーでは大阪的なわかりやすい笑い担当。
横田さんはニナガワ的台詞術でライオンを投げ飛ばすのが痛快。
すっかりれおんくんとの並びが板についている、向こうも観てるこっち側としても。

想像以上に面白かったのは、ジュリアン!
流暢なんだけど、日本語に対する新鮮さがこちらまで伝わって、
ロザリンドに出会って「言葉」が湧き出て爆発するオーランドーにぴったりだった。
大阪ではワークショップみたいに、
感じるまま自由に感情表現してるのが伝わってきて、観ててワクワクした。

マイコさんはコケティシュでも品も失わない素敵なお嬢さん。
れおんくんとの並びもトップコンビさながらで、見目麗しい。
元々東京で出来上がった感があって、
大阪では周りがテンポアップした分かなり巻いてしまって、
ちょっと聞き取りづらかったり、流れてしまってるのがもったいなかった。

柚希さんはやはり男役芸に秀でた人で、
(宝塚全般にも言えるかもしれないけど)けして台詞術に長けた人ではないので、
たとえギャニミード(男装)姿というケレン味でカモフラージュしたとしても、
その弱さが露呈してしまって、多々もたつきを感じた。
というか、そもそもロザリンドは特段作ろうともせず、まんま「ちえちゃん」。
ただ、大阪で観た時はロザリンドの女子的な部分「ちえちゃん」と、
宝塚的な颯爽とした「柚希礼音」とのつなぎ目がスムーズになってた気がした。
歌はラスト、口上の1曲のみ。
冒頭のワンピースとラストのウェディングドレス姿にはどよめきが起きていた。

れおんくんファンにとってはこの作品はどうだったんだろう…?
悲しいけど、宝塚OGの宿命で、男役時代とのギャップにどんどんファンが減っていく頃。
『ビリー・エリオット』は、いよいよ本当に男役と一切関わりもなければ、華やかな役でもないし、
アドヴァンテージなく、芝居力でとことん挑戦しなければいけない正念場。
男役でも「ちえちゃん」でもなく女優「柚希礼音」がどんな風になるか楽しみです。

ロザリンドの最後の口上がなかなかピリッときた。
「どうかお気に召すまままこのお芝居を可愛がってください。
ご婦人方は男の私を、殿方は女の私を楽しまれただけど、
両方の私が演ずるこのお芝居を愛してください。」

今のれおんくんそのものの口上だった。
切実だった。

POB(結局観劇メモをまとめられていない)から思ってたけど…
スキル面とは別として、
男役からどんどん女性的に変わるのは複雑な気持ちになるけど、
それに幻滅したとか男役しか見たくないとか、
こんなの柚希礼音じゃないとか、
そんな「否定」はファンとして本人サイドや作り手に伝えるものじゃない。

彼女の人生を、キャリアを祝福したい。
彼女が内包した両性のバランスはこれからも揺らぎ続けるだろうけど、
それこそが、柚希礼音だよ!
それが表現力の「糧」になるまで見続けていこうよ、と。
ファンでもないけど偉そうに思いました。

POBの時、ジョシュ・グリセッティが宝塚の生徒が結婚できないのは何故か、
女性の権利として大丈夫なのか?とSNSで投稿して、
何故か宝塚ファンの間で大炎上したということやら、
宝塚、宝塚OGとファンに対しては本当に思うところが多すぎる。
フェアリー達も花園の中で色々悩んでると思うよ。。。
花園を去ると、さらにオープンな形で人生が一気に押し寄せる。
性転換とか、結婚とか、ビジネスとか、キャリアとか。
花園で育った彼女たちが荒波に立ち向かっていく・・・
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